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精神薬療分野 「2022年度」

2022年度(第55回)
精神薬療分野 一般研究助成金受領者一覧
<交付件数:20件、助成額:2,000万円>

統合失調症

(五十音順、敬称略)
研究者名所属機関研究課題区分
(*)
助成額
(万円)
久島 周
アブストラクト
研究報告書
名古屋大学医学部附属病院ゲノム医療センター全ゲノムシーケンス解析に基づく統合失調症・自閉スペクトラム症の病因・病態解明1100
自閉スペクトラム症(ASD)の遺伝要因を解明するために、全ゲノムシークエンス解析を実施した。ASD患者とその両親を対象に、Illumina NovaSeq6000シークエンサーで解析を実施し、5つの既知ASD関連遺伝子にde novoの非同義的バリアントを発見した。これには4つのミスセンスバリアント(MCM6 P149S、KMT2C E3717D、CLTC V727A、PTEN L320S)と1つのノンセンスバリアント(CHD7 W2090*)が含まれる。また、ASDと関連が報告されている病的なゲノムコピー数バリアント(16p12.1欠失、15q11.2-q13.1重複、1q21.1重複+15q11.2欠失)を3例の患者で同定した。本研究は、ASDの病態解明、診断法開発、新規治療法の開発、遺伝カウンセリングの充実に寄与することが期待される。
久保 健一郎
アブストラクト
研究報告書
東京慈恵会医科大学医学部 解剖学講座先進的解析技術を用いた精神疾患の分子細胞病態の探索1100
統合失調症をはじめとする精神疾患の病態は依然として不明な点が多い。また、新たな作用機序に基づいた薬剤の候補が存在しないなど、治療法の開発が滞っている。その要因の一つに、ヒトの脳サンプルを得ることが著しく困難であることが挙げられる。本研究では、統合失調症に罹患した患者と正常対照者の死後脳を用いて、先進的な単一細胞解析や空間的遺伝子発現解析を行った。得られた大規模データを用いたインフォマティクス解析と死後脳を用いた検証を行った結果、統合失調症のサンプルでは、正常対照群と比較して、アストロサイトに関連する分子の遺伝子発現が変化していることを見出した。また精神疾患との関連が知られる脳部位である前障に特徴的な細胞移動機構を見出した。精神疾患の発症には、発生・発達段階での様々な要因が関与するとされるが、それらの要因によって、今回見出されたアストロサイト関連シグナルの変化等が生じている可能性がある。
武井 雄一
アブストラクト
研究報告書
群馬大学医学系研究科 神経精神医学教室治療抵抗性統合失調症を対象とした安静時脳機能ネットワークのグラフ理論解析研究1100
統合失調症の一部は治療抵抗性統合失調症(TRS)であり、持続的な精神病症状を示す。本研究は、高解像度のMEGを用いてTRSの脳機能ネットワークを分析し、非TRSと比較して治療抵抗性の形成に関わるネットワーク変化を明らかにすることを目的としている。グラフ理論解析により、TRSではhigh beta帯域で特に内側前頭前野と側頭部でClustering coefficientが顕著に低下していることが示された。さらに、DeltaとTheta帯域においても低下を示し、TRSの形成には高周波数のみならず、低周波数ネットワーク障害が関与する可能性を示している。これらの知見はTRSの病態解明に対する臨床的意義が高いと考えられる。
溝口 博之
アブストラクト
研究報告書
名古屋大学医学部附属病院 薬剤部統合失調症におけるReelinシグナルの機能回復に向けた新たな治療戦略の開発1100
本研究では、統合失調症モデル(Reln-del)マウスを用いて、統合失調症の病態解明とReelin 補充療法のメカニズムの解明を行った。その結果、Reln-delマウスの前頭皮質における興奮性神経と抑制性神経の形態的異常を証明することができた。また、Reln-delマウスは社会性行動異常を示すことを証明した。おそらく、興奮性と抑制性神経の形態的異常は、回路機能的低下を招き、社会性行動の異常を引き起こしたと考える。今後は、この表現型に対して、Reelinの補充が緩解させるかどうか検討する。さらに補充により、抑制性神経や興奮性神経の機能そのものが緩解されるのか、あるいは形態的異常が緩解されるのか検討する予定である。本研究成果は精神疾患病態の理解と新規治療法の開発に向けた基礎と臨床とを繋ぐ橋渡し研究として貢献できた。
山本 直樹
アブストラクト
研究報告書
国際医療福祉大学 基礎医学研究センター 薬物治療学分野ムーンライティングタンパク質機能に着目した急性期緊張病型精神病の病態解明1100
激しい幻覚・妄想、精神運動興奮・昏迷を呈する急性期緊張病型精神病の病態は未だ不明な点が多い。本研究者らは先行研究において緊急入院にいたった計497症例を詳細に検討し、機械学習モデルをもちいた解析により、急性期緊張病型精神病にチアミン(ビタミンB1)の欠乏が高い頻度で認められることを見出した。そこで、本研究においてミクログリアに着目して、チアミン要求性ピルビン酸脱水素酵素複合体 (PDC) の細胞内での発現変化や核ムーンライティング機能の変化とストレス応答性ミクログリア活性化の関係を検討した。その結果、PDH E1αサブユニットがミクログリア活性化過程において有意な発現の減少を示すことを見出した。今後、細胞分画や免疫組織化学による解析を行い、この酵素タンパク質の細胞内でのムーンライティング機能の変化をさらに詳細に調べることにより、病態解明および臨床検査医学的診断への応用への発展が期待出来る。

気分障害

(五十音順、敬称略)
研究者名所属機関研究課題区分
(*)
助成額
(万円)
岩田 仲生
アブストラクト
研究報告書
藤田医科大学医学部 精神神経科学講座双極I型・II型障害と他の精神疾患の相関:cross-disease・population遺伝的相関解析1100
Psychiatric Genomics Consortium (PGC)は、白人を対象としたI型双極性障害(BD1)/ Ⅱ型双極性障害(BD2)と統合失調症(SCZ)・うつ病(MDD)の遺伝的関係性について、遺伝的相関解析を実施し報告している。本研究では、日本人BD1、BD2、SCZのGWASデータと、中国人MDDのGWASデータを用いて、LDSC回帰解析に基づいて遺伝的相関(rg)を計算し、白人集団の結果との比較を行なった。その結果、東アジア集団においてはBD1とMDDの間のrgが高く(「気分」スペクトラム)、PGC(白人集団)のBD1がSCZ(「精神病」スペクトラム)に近いという結果と対照的であった。また、東アジア集団においてはBD1とSCZの間のrgが低く見られたが、BD2とSCZ/MDDの間のrgはPGCの結果と類似していた。
影山 祐紀
アブストラクト
研究報告書
大阪公立大学大学院医学研究科 神経精神医学リキッドバイオプシーとミトコンドリア機能障害に基づく双極性障害バイオマーカー探索2100
双極性障害のうつ状態、寛解状態の血液採取をすすめ、27対の試料収集が終了した。NCAM1陽性血中エクソソームが脳由来の情報を含んでいるかについて検証を行った。血中NCAM1陽性エクソソーム中のRNA-seqエンリッチメント解析の結果、fetal brain cortex 、neural epitherium 、midbrain 、prefrontal cortex の領域に有意な相関を認めた。
 次にこの技術が精神疾患のバイオマーカーとして利用可能か検証するためにうつ病39名と双極性障害13名の血中NCAM1陽性エクソソーム中のRNA-seqを行った。多重検定補正後に有意差を示した159遺伝子の発現データを用いて、Orthogonal PLS-DA解析および機械学習にて2群を区別できることが示された 。
血液NCAM1陽性エクソソーム情報はうつ病と双極性障害を区別するバイオマーカーとして臨床へ貢献できる可能性が示唆された。
加藤 正樹
アブストラクト
研究報告書
関西医科大学医学部 精神神経科適切なゴールを目指した、オミックスと長期評価による気分障害の革新的治療2100
うつ病に関連するストレスでのミトコンドリア損傷により、mtDNAが断片化し、mitomiRとともに細胞外に拡散しうつ病の治療反応に影響しているとの仮説を立て、未治療のうつ病患者の血漿中のmtDNAコピー数とmiRNA発現量の関連を検証した。また、同定されたmitomiRとミルタザピン、SSRIの治療反応との相関を検討した。
 5種類のmiRNAの発現量が、mtDNAコピー数と有意な正の相関(p=2.26e-6 - 8.67e-5)を示した。これらの5つのmiRNAのうち、SSRIにおいては治療前のmiR-4707-3pの発現量が低い群が4週目に治療寛解に至る割合が高く、ミルタザピンでは治療前のmiR-6068の発現量が高い群が4週目に治療寛解に至る割合が高いことが示された。これら5つのmiRNAは甲状腺ホルモン合成、Hippoシグナル伝達などのパスウェイに関与するものであった。
朴 秀賢
アブストラクト
研究報告書
熊本大学大学院生命科学研究部 神経精神医学講座アストロサイトに着目した電気けいれん療法の作用機序解明1100
海馬アストロサイトに着目したECTの作用機序研究を、コルチコステロン慢性投与によるうつ病モデルマウスと電気刺激(ECS)を用い、モデルマウスの海馬から分離したアストロサイトを用いて詳細な遺伝子解析を行った。その結果、アストロサイトにおいてECTの抗うつ効果に関与する候補分子としてSGK1を同定した。ECSによるSGK1発現抑制の作用機序解明は、新規抗うつ薬の開発に貢献することが期待される。
吉村 玲児
アブストラクト
研究報告書
産業医科大学 精神医学教室エキソソーム内包miRNA-mRNA-オミックス解析から薬物反応を探る2100
本研究の目的は、血清中の細胞外小胞(EV)中のmiRNAレベルとうつ病(MD)の重症度との関連を検討することである。当大学病院において、16例のMD症例から患者血清を採取した。EVに含まれるmiRNAをナノ濾過法で抽出し、miRNAマイクロアレイを用いて発現量を解析した。EV中のmiRNAの診断能を検証するために、グループ間比較を行った。さらに、EV中の候補miRNAをin vitroで神経前駆細胞、アストロサイト、ミクログリア細胞に添加し、候補miRNAの予測標的遺伝子を抽出した。予測された標的遺伝子は濃縮解析を受けた。hsa-miR-6813-3pおよびhsa-miR-2277-3pの発現レベルは、MDのうつ病重症度の増加とともに有意に低下した。パスウェイ濃縮解析の結果、hsa-miR-6813-3pはグルココルチコイド受容体とγ-アミノ酪酸受容体のシグナル伝達に関与している可能性が示唆された。さらに、hsa-miR-2277-3pはドーパミン作動性神経経路に関与していることがわかった

脳器質疾患・認知症

(五十音順、敬称略)
研究者名所属機関研究課題区分
(*)
助成額
(万円)
草苅 伸也
アブストラクト
研究報告書
東京医科大学医学部 薬理学分野前頭側頭型認知症原因因子CHCHD10の新たな生理機能と認知症発症との関係解明1100
前頭側頭型認知症(Frontotemporal dementia:FTD)の原因因子CHCHD10はミトコンドリアに局在し、ミトコンドリア機能の制御に関わると考えられている。これまでにFTD発症に関わる複数の遺伝子変異が同定されているが、そのメカニズムは未だよくわかっていない。
本研究では、CHCHD10遺伝子変異による細胞死メカニズムを明らかにするため、プロテオミクス解析を用いて神経細胞死に関わるCHCHD10結合分子を探索したところ、結合分子として複数の細胞死制御関連因子が得られた。さらに、興味深いことにFTD発症に関わるCHCHD10変異体では、野生型に比べこれらの因子との結合が増強する傾向が認められた。
以上の結果から、CHCHD10がこれらの因子を介して神経細胞死を誘導する可能性が考えられた。
佐藤 栄人
アブストラクト
研究報告書
順天堂大学医学部 疾患モデル研究室フェロトーシス制御による認知症治療戦略1100
【研究の背景】脳の鉄沈着を病的背景とする神経変性症(NBIA: neurodegeneration with brain iron accumulation)は特徴的な臨床経過を示す。その原因として、鉄蓄積による酸化ストレスの亢進が指摘されているが真の病態は不明である。【目的】鉄沈着が神経変性の鍵になることに着目し、神経鉄沈着症の病態を解明する。【方法】WDR45ノックアウトマウスの表現型を行動解析により評価し、病理学的手法によって解析する。【結果】運動症状が出現するより早期からドーパミン細胞の脱落が起こる。とりわけ中脳腹側被蓋野(VTA: ventral tegmental area)の変性が顕著で鉄の蓄積と相関した。さらに病初期にはグルタミン酸ニューロンのシナプスの増加が観察され、グルタミン酸毒性の亢進が推測された。【考察】グルタミン酸ニューロンの異常を起点としたNBIAの一端が解明された。
竹内 啓善
アブストラクト
研究報告書
慶應義塾大学医学部 精神・神経科学教室高齢者のせん妄におけるトラゾドンの有効性と安全性の検討:クエチアピン対照二重盲検無作為化比較試験2100
本研究に関連する研究として、2017年4月1日から2021年3月31日までの年間に慶應義塾大学病院で入院した患者のせん妄におけるトラゾドンの使用実態に関する後方視的診療録調査を実施し、トラゾドンを定時投与された患者は379名(9.5%)であり、単剤投与された52名においてせん妄改善率は63.5%、せん妄改善までの期間は5.3日であることを報告した。
また、本研究ではせん妄に対するトラゾドン、ミアンセリンの使用が適応外使用であり、特定臨床研究に該当するため、認定臨床研究審査委員会への申請の準備として実施計画書、研究計画書、説明同意文書といった書類の作成を完了した。また、研究体制整備として慶應義塾大学病院臨床研究推進センター企画推進部門および生物統計専門家および慶應義塾大学医学部病院薬剤学教室の連携体制を確立した。
田中 稔久
アブストラクト
研究報告書
三重大学医学部 神経・筋病態学講座タウオパチーにおける形態特異的タウ重合モデルの開発1100
認知症性疾患の中でタウが異常蓄積するものはタウオパチーと総称されているが、近年のクライオ電子顕微鏡法の開発と進歩により、病態ごとのタウの超微形態の構造が明らかにされた。それによると、それぞれのタウオパチー性疾患において特徴的なタウ分子のフォールディング構造と2量体がある。そこで、各タウオパチー性疾患に見いだされるタウ2量体を個別に作成するために、フォトクロスリンク法を用いて人工的に単一の重合タウ分子モデルを作成することを発案した。結果として、タウ蛋白の微小管結合リピート部位内のSerine 324 残基を接合面に含む2量体が作成できたが、既存の情報からはピック脳に見いだされるwide filaments の構造に由来するものと推認できる。このように疾患別の2量体を作成し、それを重合・線維形成させることによって単一微小形態のタウ重合体を作成すれば、今後の診断法・治療法の開発に大きく貢献するものと考えられる。
東山 雄一
アブストラクト
研究報告書
横浜市立大学医学部 神経内科学・脳卒中医学先進的脳画像・症候・遺伝子解析によるパーキンソン病の認知症進展予測マーカーの開発2100
パーキンソン病は、病初期より様々な認知機能障害を高率に合併し、認知症の合併は、日常生活障害や介護負担の増加のみならず、生命予後を左右することも明らかとなっている。そのため、軽度認知障害 (PD-MCI) での早期診断、認知症進展予測は、適切なタイミングで治療介入を行う上で極めて重要である。そこで我々は、PD-MCIを対象に、近年注目されている白質画像解析である fixel-based analysis (FBA)、嗅覚検査などの臨床指標、遺伝子解析などの、多角的臨床情報を統合したデータ解析を通して、新規の認知症進展予測マーカーの開発を行った。これまでにPD 45例 (認知機能正常PD 19例、PD-MCI 26例)、健常者 41例のデータを収集し、FBAを行った結果、PD-MCIは他群と比較して、右脳弓の線維密度が低下しているという結果が得られた。本結果により、FBAなどの脳画像検査が、PD-MCIの新たな診断マーカーとして有用である可能性が示唆された。
森 隆
アブストラクト
研究報告書
埼玉医科大学総合医療センター 研究部・病理部アルツハイマー病:アポリポ蛋白Eを標的とした革新的ペプチド療法の確立2100
アルツハイマー病の治療標的として、アポリポ蛋白E(apolipoprotein E,apoE)とN端-アミロイド前駆体蛋白(amyloid β-protein precursor,APP)の結合に着目し、この結合阻害剤(6KApoEp)を開発した。本研究では、ヒトapoE2、apoE3、apoE4アイソフォームの何れか1つを発現するアルツハイマー病モデルマウスを作出し、6KApoEpの治療効果を調べた。6KApoEp療法は、新規物体認識と迷路試験を含む殆どの学習・記憶試験で認知機能障害を改善させ、脳血管アミロイド症も軽減させた。治療効果は、細胞膜APP量の減少、APP遺伝子の転写の低下、p44/42 MAPKのリン酸化抑制により、アミロイド産生APP代謝経路を低下させることで発揮されていた。病態が最も悪化するapoE4アイソフォーム保有のアルツハイマー病患者への臨床応用が期待される。

発達障害

(五十音順、敬称略)
研究者名所属機関研究課題区分
(*)
助成額
(万円)
前川 素子
アブストラクト
研究報告書
東北大学医科学専攻 細胞生物学講座・器官解剖学分野「脂肪細胞-脳軸」に着目した自閉症病態形成メカニズムの解明1100
自閉スペクトラム症(自閉症)は、社会性の障害、反復的な行動、感覚系の異常、などを特徴とする小児の発達障害である。我々は過去に、脂肪細胞型脂肪酸結合タンパク質Fatty acid binding protein 4 (FABP4)の機能低下が自閉症病態形成に関与する可能性を報告した。本研究では、FABP4阻害剤として知られるBMS309403(以下BMSと略す)を用いて、脳発達期のFABP4機能低下による仔への影響を調べた。その結果、BMS投与群の雄の仔マウスでは、生後早期の超音波発声の変化、成体期の碁石埋め隠し行動の亢進、強制水泳試験で無動時間の延長を認めた。また、錐体細胞樹状突起スパイン密度の上昇を認めた。母体の血漿を用いた脂肪酸解析の結果、妊娠後期の母体血において、複数の脂肪酸組成の変化が見られた。本研究によって、脳発達期のFABP4機能低下が仔の自閉症様表現型に影響を与えることを明らかになった。

その他

(五十音順、敬称略)
研究者名所属機関研究課題区分
(*)
助成額
(万円)
佐久間 啓
アブストラクト
研究報告書
東京都医学総合研究所 脳・神経科学研究分野小児のautoimmune psychosisに関する実態調査2100
小児精神疾患の診療において比較的急性に精神症状を発症する症例のうち、免疫学的異常の関与が示唆されるはautoimmune psychosisと呼ばれ近年注目されている。本研究では比較的急性の発症様式を示す小児期の精神障害を対象として免疫学的解析を行い、その病態の一端を明らかにすることを目的とした。Autoimmune psychosisの診断基準を満たす20歳未満の症例を対象とし、症例レジストリのデータから臨床情報を検索した。またcell-based assay法により抗神経抗体を解析した。94例(44%)に何らかの精神症状を認め、興奮や情動異変性などの症状が多かった。抗神経抗体は20例(21%)で陽性であり、いずれもNMDA受容体抗体であった。脳梁膨大部脳炎・脳症が6例とこれに次いだ。両疾患に認められる精神症状には一定の特徴があり、これらを元に臨床的に診断を予測することが可能と考えられた。
西村 周泰
アブストラクト
研究報告書
同志社大学大学院脳科学研究科 脳機能回路創出部門多領域脳オルガノイドを用いたシヌクレイノパチー分子病態の解明1100
 パーキンソン病(PD)は、黒質から線条体に投射するドパミン神経の選択的な脱落によって引き起こされる神経変性疾患である。PDの発症要因の一つとして、α-シヌクレインの凝集やプリオン様脳内伝播によって引き起こされる神経変性(シヌクレイノパチー)とそれに起因する神経細胞死が誘発されることが知られているが、現状では死後の病理解剖による確定診断によって現象が観察できるのみである。従って、シヌクレイノパチーの病態を正確に理解し、その根拠に基づいた予防法・治療法を確立するためには、分子レベルで変化する病因タンパク質の脳内伝播および物性変化の過程を解明できるヒト脳モデルの構築が必要であると考えられる。
そこで本研究では、ヒト多能性幹細胞から三次元構造を持つ中脳-線条体オルガノイドを作製し、α-シヌクレインの脳内伝播および病変を再現し、病態を詳細に理解するための脳モデルの作製を行った。

桝 正幸
アブストラクト
研究報告書
筑波大学医学医療系 生命医科学域細胞外糖鎖修飾酵素によるドーパミンシグナル調節機構の解明1100
Sulf1は、細胞外でヘパラン硫酸の修飾を介して様々なシグナルを調節する酵素であり、癌や発生における役割は明らかにされているが、成体脳における役割はほとんど分かっていない。最近の研究により、Sulf1がドーパミン神経の投射部位である側坐核などに強く発現し、ドーパミン受容体と共発現することが明らかにされたが、その生理的な役割については不明である。そこで、Sulf1遺伝子をノックアウト(KO)したマウスを用いて、行動実験および電気生理学実験を行い、Sulf1の役割を明らかにすることを目的とした。Sulf1 KOマウス、およびドーパミンD1/D2受容体発現細胞でSulf1遺伝子を破壊したマウスを用いて報酬忌避行動実験および電気生理学実験を行った結果、野生型マウスと異なる反応を示すことが明らかとなり、Sulf1を介したヘパラン硫酸の修飾が脳機能に重要な役割を持つと考えられた。
*応募区分1:精神疾患の病因、病態に関連する研究(遺伝子研究を含む)
*応募区分2:精神疾患の症状、診断、治療に関連する研究(症例研究や疫学研究を含む)

2022年度(第2回)
精神薬療分野 COVID-19関連一般研究助成金受領者一覧
<交付件数:2件、助成額:200万円>

気分障害

(五十音順、敬称略)
研究者名所属機関研究課題区分
(*)
助成額
(万円)
蔡 林
アブストラクト
研究報告書
東京大学総合文化研究科 進化認知科学研究センター新型コロナウイルス感染症による社会環境―脳―精神―行動の階層的変化の解明1100
2020年3月にCOVID-19パンデミックが宣言され、多くの国がロックダウンを実施して感染拡大を抑えた。しかし、これにより思春期のメンタルヘルスに深刻な影響が生じた。本研究では、COVID-19パンデミックに起因する初の緊急事態宣言が日本で発令されたことによって、思春期の海馬の発達中のマクロおよびミクロ構造が変化したかどうかを調査する。pn-TTCコホート研究プロジェクトのデータを使用し、479人の参加者から1,149のMRIスキャンを取得。一般化加法混合モデルを用いて統計的に解析。緊急事態宣言は平均海馬体積に対して有意な影響を示し、特定の海馬亜領域の体積や微細構造にも影響を与えた。研究結果は、COVID-19パンデミック後の思春期の海馬での構造変化を示唆しており、緊急事態宣言が海馬の発達に影響を与える可能性があることを明らかにし、将来の災害や危機において精神機能がどのように変化するかに関する示唆を提供する。

その他

(五十音順、敬称略)
研究者名所属機関研究課題区分
(*)
助成額
(万円)
堺 景子
アブストラクト
研究報告書
大阪河﨑リハビリテーション大学 リハビリテーション学部 作業療法学専攻Long COVID関連症状の病態機序および発症に影響を与える要因の解明2100
これまで報告されているLong COVIDの症状は、易疲労感・抑うつ・不安などの精神症状と身体的不定愁訴が多いことから、Long COVIDを発症した人の精神医学的特性を明らかにするためにアンケート調査を実施した。その結果、COVID-19感染者は身体の不調や社会生活上の困難を感じているようであった。このことから、Long COVID発症と関係なくCOVID-19感染者はこれまでとは異なる心身の状態で生活していることが推測された。さらに、Long COVIDの症状を呈する者では、抑うつ傾向が強く、健康関連QOLにおいても精神的不調を感じているようであった。人格特性については、神経症傾向が強く、元来不安を抱きやすく、現在の状況にも強く不安を抱いている傾向がみられた。これらの結果からは、Long COVIDの症状を呈していることに対する自身の考え方や認知の仕方について精神心理学的な関りが必要と考える。
*応募区分1:精神疾患の病因、病態に関連する研究(遺伝子研究を含む)
*応募区分2:精神疾患の症状、診断、治療に関連する研究(症例研究や疫学研究を含む)

2022年度(第16回)
精神薬療分野 若手研究者助成金受領者一覧
<交付件数:10件、助成額:1,000万円>

統合失調症

(五十音順、敬称略)
研究者名所属機関研究課題区分
(*)
助成額
(万円)
越山 太輔
アブストラクト
研究報告書
東京大学大学院医学系研究科 脳神経医学専攻 精神医学分野拡散強調画像を用いた統合失調症における神経生理学的異常所見の神経基盤の解明1100
ガンマ帯域聴性定常反応は、 統合失調症の病態解明に役立つ生物学的指標となる可能性がある。本研究では、統合失調症と健常者において大脳白質の微小構造変化とガンマ帯域聴性定常反応の関連を調べ、ガンマ帯域聴性定常反応の基盤となる神経ネットワークを明らかにすることを目的とした。統合失調症患者と健常者を対象に脳波およびMRIを測定し、ガンマ帯域聴性定常反応と拡散テンソル画像データを取得した。その結果、ガンマ帯域聴性定常反応は、右前頭後頭束の大脳白質統合性の指標と健常者においてのみ有意な正の相関が見られたが、統合失調症では有意な相関は見られなかった。よって健常者で存在する大脳白質構造とガンマ帯域聴性定常反応の関連が、統合失調症においては病態的な機序により失われている可能性がある。本研究で見出された大脳白質の微小構造変化に注目した研究は、統合失調症の病態の解明に有用な情報をもたらす可能性がある。
Zhu Yinghan
アブストラクト
研究報告書
東京大学総合文化研究科 附属進化認知科学研究センター精神疾患脳画像機械学習器のライフコースデータへのあてはめ2100
Enhancing Neuro Imaging Genetics through Meta-Analysis for Clinical High Risk (ENIGMA CHR)データの多施設脳画像データ(HC 群 1,029 名、CHR 群 1,165 名)をneuroComBat (Fortin et al., 2007)を用 い、ハーモナイズした上で、機械学習を行った。その際、 各脳構造特徴の発達曲線を一般線形加法モデル (GAM) により高精度に作成し、健常の発達変化から逸脱した脳構造を抽出し、汎用性の高い統合失調症の学習器を作成した。この特徴量を用いてHC群と追跡調査による144名発症群(CHR-PS+)の機械学習器を構築し、統合失調症発症の予測可能性を検討した。トレーニング データセットと独立した確認データセットにおいて学習器の精度は、それぞれ 85% と 73% でした。思春期発達における変化を非線形で補正することによって、統合失調症の発症予測において汎用性の高い学習器を作成できた。
阪東 勇輝
アブストラクト
研究報告書
浜松医科大学医学部医学科 器官組織解剖学講座統合失調症感受性イオンチャネル・Cav1.2による大脳皮質領野間相互作用制御機構1100
統合失調症の病態解明は重要な課題である。これまでに統合失調症のモデルマウスで様々な大脳皮質局所神経回路異常が報告されている。しかし、これらの異常と病態との因果関係は明らかでない。それは、これまでは単一神経細胞や局所神経回路に着目し、広域神経回路の解析が遅れていたからであると考えられる。一部の統合失調症の患者で電位依存性Ca2+チャネル、Cav1.2の発現低下または機能欠損型変異が報告されている。しかし、Cav1.2のへ発現または機能低下の神経回路形成及び機能への影響は明らかではなかった。本研究では、(1) Cav1.2による大脳皮質神経回路形成機構、(2) 大脳皮質領域間相互作用を解析するための技術的基盤を構築した。結果、Cav1.2の発現抑制により、神経細胞への分化及び細胞移動に遅れが生じることを発見した。今後、大脳皮質形成異常と領域間相互作用の異常との関連を明らかにしていく。 
吉川 茜
アブストラクト
研究報告書
順天堂大学医学部附属順天堂医院 精神医学講座臨床ゲノム解析による治療抵抗性統合失調症の層別化1100
統合失調症患者の約3分の1は現存の抗精神病薬が無効な治療抵抗性統合失調症 (Treatment-resistant schizophrenia: TRS) であり、初回エピソード統合失調症でも約4分の1を占める。唯一のTRS治療薬であるクロザピンは、無顆粒球症等の重篤な副作用のため、本邦では導入への遅れが目立ち、多数の患者が治療臨界期を逃している。自我障害は病期を問わず前駆期から継続的に存在する本症の中核症状であるが、現行の抗精神病薬による改善に乏しく、本研究では自我障害に注目しTRSの臨床ゲノム解析を行った。TRSでは、思考領域の自我障害が32.5%と、統合失調症(7%-29%)より多く、中核症状でありながら治療抵抗性となりやすいことが示唆された。また自我障害との関連が報告されている一次性陰性症状を約2倍の頻度で認め、現在進行中のゲノム解析結果から両者に共通した病態基盤を見出したい。
吉野 祐太
アブストラクト
研究報告書
愛媛大学大学院医学系研究科 精神神経科学統合失調症における正常圧水頭症の有病率調査、及び共通する病態の解明2100
正常圧水頭症(iNPH)は、認知機能障害、歩行障害、尿失禁を3主徴とする治療可能な認知症疾患であるが、統合失調症の症状および薬剤の副作用として、iNPHと同様の症状を呈することがある。今回、私は統合失調症患者127名を対象として、iNPH、AVIM(asymptomatic ventriculomegaly with features of iNPH on MRI)の有病率、および既知の遺伝学的なリスクを評価した。その結果、10/127(7.9%)がiNPHであり、15/127(11.8%)がAVIMであり、一般人口の有病率より高かった。TSKU遺伝子、SFMBT1遺伝子といった既知のリスクとは相関していなかった。統合失調症患者はiNPHを発症しやすい可能性があり、定期的にiNPHの3主徴を評価するとともに、頭部形態画像も評価していく必要性があると考えられた。

気分障害

(五十音順、敬称略)
研究者名所属機関研究課題区分
(*)
助成額
(万円)
梶谷 直人
アブストラクト
研究報告書
熊本大学大学院生命科学研究部 健康長寿代謝制御研究センターうつ病の新しい治療ターゲットHippo経路の解明2100
現在日本で使われている抗うつ薬は三環系抗うつ薬(TCA)をプロトタイプに、SSRIなどモノアミンに特化した薬理作用をもつ薬物が開発されてきた。重症のうつ病患者にはSSRIよりもTCAが有効とする報告があり、モノアミンへの作用だけではなぜTCAが高い治療効果を有するのか説明できなかった。これまでに、TCAがモノアミンとは独立してLPA1受容体を活性化することを明らかにした。本研究では、マウスを用いてTCAの抗うつ効果にLPA1受容体が関与するか検討を行った。さらに、TCAによるLPA1受容体下流シグナルを詳細に解析し、中でもHippo経路に着目し検討を行った。本研究結果から、TCAはLPA1受容体バイアス型アゴニストとして作用しHippo経路の転写活性を亢進することが明らかになった。この作用はTCAの高い治療効果を説明する一つの作業仮説となる可能性がある。今後、LPA1受容体/Hippo経路を標的とした新たな抗うつ薬の開発が期待される。
富永 香菜
アブストラクト
研究報告書
山口大学医学系研究科 高次脳機能病態学講座気分障害の病態生理の解明につながるエクソソームの機能解析1100
気分障害の診断のために患者体内の変化を反映したバイオマーカーは有力なツールである。本研究では様々な疾患のバイオマーカーとして注目されているエクソソーム(EV)に着目し、気分障害のひとつであるうつ病患者と健常者の血漿EVの表面に存在する糖鎖やタンパク質を比較した。その結果、N-acetyl glucosamine (GlcNAc)とシアル酸を認識するレクチンWGAがうつ病急性期患者の血漿EVで約20%に減少し、寛解期で約70%に回復することがわかった。さらに、WGAが結合する糖タンパク質を質量分析にて探索した結果、von Willebrand factor (vWF)を同定した。健常者とうつ病患者の末梢血EVのWGAが結合するvWFを測定したところ、うつ病急性期に対して高い診断能を有し、うつ病急性期の新規バイオマーカーになる可能性を示した。今後、うつ病急性期患者の末梢血EVの糖タンパク質や糖鎖構造の生物学的意義を明らかにし、気分障害の発症メカニズムの解明へとつなげる。

脳器質疾患・認知症

(五十音順、敬称略)
研究者名所属機関研究課題区分
(*)
助成額
(万円)
田中 良法
アブストラクト
研究報告書
岡山理科大学獣医学部 獣医学科 生化学講座抗がん剤アベマシクリブを用いたFTLD-TDP療法の開発2100

オートファジーは細胞内の不要な成分を取り囲んだオートファゴソームがリソソームと融合することでオートリソソームを形成し、内容物を分解する機構である。核タンパク質TDP-43の細胞質内蓄積を特徴とする前頭側頭葉変性症(FTLD-TDP)の原因となるプログラニュリン(PGRN)産生低下によってオートリソソーム形成が抑制されること、TDP-43凝集体がオートファジーによって分解されることを明らかにした背景から、オートリソソーム形成促進がFTLD-TDPの病態形成を抑制する可能性を示唆した。本研究では、アベマシクリブ(Abe)のオートリソソーム形成促進効果について解析した。AbeはPI(3)Pの産生増加を介してオートリソソーム形成を促進し、PGRN欠損によって生じるオートリソソーム形成不全を回復した。AbeはFTLD-TDPの疾患修飾薬の候補薬物となる可能性が示唆された。

その他

(五十音順、敬称略)
研究者名所属機関研究課題区分
(*)
助成額
(万円)
臼井 紀好
アブストラクト
研究報告書
大阪大学大学院医学系研究科 神経細胞生物学講座薬物依存における耐性獲得メカニズムの解明1100
近年は、薬物、アルコール、ギャンブルだけでなく、ゲーム、スマホなど様々な依存症が急増しており、依存メカニズムの解明、及び治療法と治療薬の確立が求められている。しかし、薬物耐性が獲得されるメカニズムについては未知の部分が多い。本研究では薬物耐性の獲得が依存形成の初期ステップとして重要だと考え、本研究では依存形成のメカニズムを理解するため、覚せい剤応答因子であるZbtb16 に着目して薬物耐性の獲得メカニズムを解明することを目的とした。Zbtb16のノックアウトマウスでは覚せい剤メタンフェタミンに対する応答と嗜好性が著しく低下した。また、遺伝子発現解析からZbtb16 特異的遺伝子群として359個の遺伝子を同定し、神経細胞よりもグリア細胞が神経回路の可塑性に関与する可能性が示唆された。本研究によってこれまで機能が不明なZbtb16 特異的シグナル経路が明らかになる可能性が期待される。
塩飽 裕紀
アブストラクト
研究報告書
東京医科歯科大学医歯学総合研究科 精神行動医科学分野疼痛性障害の自己抗体病態の解明1100
精神科領域の難治な疼痛関連疾患の一つに、原因不明の疼痛を呈する疼痛性障害があげられる。これは、一部には線維筋痛症も含まれ、従来の精神医学の概念では心理的な要因を背景に症状を形成する可能性が指摘されてきたが、臨床的にそのような心理的な病態が存在しないように見える患者も存在し、疾患病態の異種性が想定される。我々は、疼痛性障害の患者から、疼痛を引き起こす自己抗体を探索することを目的に研究を行った。また、統合失調症でも同様の探索を行い、疼痛性障害の合併があった場合、自己抗体との関連を探る方針とした。その結果、疼痛性障害患者から既知の疼痛関係自己抗体、未報告の自己抗体さらに統合失調症患者から抗NRXN1自己抗体を発見した。疼痛性障害や統合失調症で発見した自己抗体は病態を形成する除去すべき治療ターゲットになり、またそのような治療をすべきバイオマーカーにもなる可能性がある。
*応募区分1:精神疾患の病因、病態に関連する研究(遺伝子研究を含む)
*応募区分2:精神疾患の症状、診断、治療に関連する研究(症例研究や疫学研究を含む)

2022年度
精神薬療分野 若手研究者継続助成金受領者
<交付件数:1件、助成額:100万円>

脳器質疾患・認知症

(五十音順、敬称略)
研究者名所属機関研究課題区分
(*)
助成額
(万円)
北西 卓磨
アブストラクト
研究報告書
東京大学大学院総合文化研究科 先進科学研究機構記憶情報の脳内伝達とその破綻・回復のメカニズム1100
海馬は空間記憶に重要な脳領域である。海馬には、動物のいる場所・移動スピード・道順などの情報を持つ神経細胞が存在し、これらの細胞が空間記憶を支えていると考えられる。本研究は、生体脳における大規模神経活動計測により、海馬や関連脳領域において、空間情報がどのように分配・伝達されるかについて検証を進めた。また、2領域からシナプス入力を統合する神経細胞に選択的に遺伝子導入を行うウイルスベクター技術を開発した (Kitanishi et al., Commun Biol, 2022)。さらに、海馬/海馬台の細胞集団レベルでの情報表現を低次元神経多様体に着目することで解明した (Nakai, Kitanishi et al., under revisioni)。加えて、これらの研究内容を概説した総説を記した (Mizuseki and Kitanishi, Curr Opin Neurobiol, 2022)。
*応募区分1:精神疾患の病因、病態に関連する研究(遺伝子研究を含む)
*応募区分2:精神疾患の症状、診断、治療に関連する研究(症例研究や疫学研究を含む)

2022年度(第26回)
精神薬療分野 海外留学助成金受領者一覧
<交付件数:2件、助成額:1,000万円>

(五十音順、敬称略)
研究者名所属機関研究課題助成額
(万円)
(留学先)
舟橋 裕愛媛大学 精神神経科学講座機能性精神疾患の病態解明およびバイオマーカーの開発500
University of Alabama at Birmingham, U.S.A.
吉松 祥慶應義塾大学医学部 生理学教室霊長類脳における神経老化制御メカニズムの解明500
MIT McGovern Institute for Brain Research, U.S.A.
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